2021年7月に延期になったチト…みんなで観たいね!
熊本子ども劇場はプレ50周年!
熊本子ども劇場は2022年3月に50周年を迎えます。
50周年記念のプレ企画として、
2020年4月「チト~みどりのゆびをもつ少年~」(人形劇団むすび座)の公演を行うことになりました。
(※新型コロナウィルスの影響で5月27日に延期を、さらに伸ばし、来年2021年7月4日(日)に延期決定です!)
しかし、新型コロナウイルスの影響で、一度5月に延期したものの、収束するのはいつになるのか全く分からず、
劇団との話し合いの結果、一年間の延期の可能性を見出してくださいました。
再び、これからの一年間、皆さんと一緒に楽しく取り組みつつ、「チト」に向かっていきたいと思います(^^)
「チト」ってどんなお話?
原作は、第二次世界大戦後 に書かれたフランスの児童文学「みどりのゆび」(原題「TISTOU LES POUCES VERTS」)です。
(モーリス・ドリュオン原作・安藤次男 訳)
どんなところにでも植物を芽生えさせ、花を咲かせることができる不思議な力を持った少年のお話です。
刑務所、病院、貧民街・・・様々な場所に花を咲かせ、チトは街中に小さな奇跡を次々と起こしていきます。
ある日、戦争が始まり、チトはチトのお父さんが武器商人であることを知ります。さて、チトのとった行動とは・・・。
愛と平和への願いにあふれた美しい物語です。岩波少年文庫に入っています.
むすび座 「チト~みどりのゆびをもつ少年~」
2017年夏、むすび座50周年企画作品として人形劇化されました。むすび座50周年の記念作品にふさわしく、
劇団の方々のやりたいことをとにかく全部詰め込んで作られたという大型の人形劇です。
当初は、むすび座の本拠地名古屋で行われる記念公演のみで終わるはずだったのですが、この舞台を観たたくさんの方から、
「この作品を、全国のもっとたくさんの子どもたちに届けなくてどうする!」との励ましをうけ、
しかし、全国を回ることを想定しておらずあまりにも大型で豪華に作りすぎたため、劇団では何度も話し合い、
意見を交わしたのだそうです。大道具を保管しておく場所もなく、記念公演の終わった翌々日には壊すことが決定していたのですが、
ひとまずそれにはストップをかけ、何度も話し合ったのだそうです。
打ち上げの席で「俺は壊させんぞ~!」と熱い思いを叫ぶ劇団員もいたという、胸の熱くなるようなエピソードもお聞きしました!
そして、むすび座は「チト~みどりのゆびをもつ少年~」の再演を決意!
熊本でも、子ども劇場50周年記念プレ企画として取り組むことが決まりました!!
どんなところにも花を咲かせることができる不思議な力を持った少年チトの、
愛と平和への願いに溢れた思いをたくさんの子どもたちに届けたい!
また養護施設・被災地の子どもたちをご招待したい!とチト基金を立ち上げました。
そして…初めてトライしたクラウドファンディング(2019年12月15日~2020年1月31日)の目標を達成することができました。
あたたかいたくさんのお心、ご支援をいただき、私たちの思いを形にすることができます。
本当にありがとうございます!
しかし、新型コロナウイルスの影響で、「チト」と出会えるのはまだ先になりました。
延期となりました子どもたちのご招待については、児童養護施設や熊本県社会福祉協議会の方とご相談させていただき、
負担にならない環境下で鑑賞会に参加していただきたいと考えております。
ご支援いただきました皆様には、感謝とともに ご理解いただければ幸いです。
熊本県子ども劇場連絡会
電話096-356-0741
e-mail info@kumageki.jp
※50周年事業 プレ企画について※
『チト~みどりのゆびをもつ少年~』(人形劇団むすび座)の公演
・熊本市子ども劇場例会(2020年4月26日実施予定でした)
⇒ 新型コロナウイルスの影響で2020年5月27日(水)に延期予定。
⇒ 新型コロナウイルスの影響で再度、来年2021年7月4日(日)に延期決定!
企画趣旨
希望の花を咲かせる
『みどりのゆび』(モーリス・ドリュオン原作)は、フランスで読み継がれてきた児童文学です。どんなところにも植物を芽生えさせ育てることのできる不思議な力を持った少年チトの物語です。チトは、そのみどりのゆびで、町中に小さな奇跡を次々と起こしていきます。
チトの両親はチトを心から愛し、学校になじまない息子のために新しい生きた教育を選択する柔軟な人物です。チトのみどりのゆびを見出した庭師の「ひげさん」、何よりも規律を重んじる「かみなりさん」、たくさんの大人に愛されて育つ幸せなチトは、やがて、優しい父は武器商人であり、チトの住む町は武器産業で成り立っているという現実に直面します。
どうして戦争は起こるのか。どうすれば戦争はなくなるのか。その、シンプルで本質的な問いかけに、わたしたち大人は答えるすべを持っているでしょうか。チトのまっすぐな問いと、それを投げかけられたこの物語の大人たちが選んだ勇気ある答え。それは「ただのおとぎ話」の範疇を超え、観る者の胸を打つでしょう。
人形劇団むすび座さんは創立50周年記念公演に、この物語を『チト~みどりのゆびをもつ少年』として舞台化されました。「やりたいことを全部詰め込んで作った」とおっしゃっていますように、たいへん大掛かりな作品です。50周年記念の公演のためだけに作られた作品でしたが、この度、むすび座さんは、この物語を全国の子どもたちに届ける決意をされました。その熱い思いを応援したい、そして、この物語を熊本の子どもたちにもどうしても観せたいとの思いから、わたしたちは、2020年春、熊本子ども劇場50周年プレ企画としてこの大掛かりな人形劇の公演に取り組み、力を尽くしたいと考えています。
ともすればすぐに希望を見失いがちになるこの困難な時代に、「それでも人生は素晴らしい」「それでも世界は美しい」のだと、絶えず子どもたちにメッセージを送り続けていく責任が、わたしたち大人にはあるのではないでしょうか。その力をこの舞台は持っていると、わたしたちは確信しています。この度の再演でこの舞台を観る全国の子どもたちに中にも、きっと「みどりのゆび」を持つ少年や少女がいます。そして、彼らが、世界中に平和の花を咲かせる日が、本当に来るかもしれません。それは単なる夢物語ではないと思うのです。
この物語の翻訳者、フランス文学者である安藤次男氏のあとがきの言葉を一部、記しておきます。
「人間は、なにからなにまで詩につつまれて生活することはできませんし、またそんな純粋な世界ばかりで生きていたら、とても生きてはゆけないでしょう。しかし、ほんとうに勇気をもって生きてゆくためには、詩がひつようなこともまたたしかなのです。」
チトのみどりのゆびが、芽吹く条件のそろわないまま埋もれている無数の種を探しあてるように、世界中の至る所に、きっとたくさんの希望の種が埋もれて眠っています。わたしたちはみどりのゆびそのものを持たなくても、それらの種を探しあて、水や空気や光のように、勇気や希望を注ぎ続けることはできるはずです。そうすればきっと、世界中に美しい花が咲くでしょう。
一篇の美しい詩のような、愛と勇気と希望に満ちたこの物語に、一人でも多くの方が出会ってくださることを心より願っています。
2020年春から延期になった2021年の夏、熊本の地から、希望と平和の花を咲かせましょう!
チト実行委員長
鬼塚千文